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CAYENNE
長物LBLK普及委員No.3
日本在住のガンマニアです。
ゲーム暦すでに20年、年齢の影響は日に日に大きく・・・
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Posted by ミリタリーブログ at

2008年06月09日

Ocean Master Server ZT-350

今回は折りたたみナイフの紹介です。

オーシャンマスターのフォルダー、ZT-350です。




パッと見、普通のハーフセレーションのフォルダですが、セレーションつきナイフがあまり
好みではない私が持っている最大の理由、それは素材です。

このナイフはブレードがベータチタンで作られています。
ベータチタンは従来のチタン合金に比べ硬度も強度も増した合金で、戦闘機のボディ素材
にも使われている素材です。

…というと、ものすごく堅いすごいナイフと思われる方もいらっしゃるでしょう!
私もかつてそうでしたが…



オーシャンマスターの使用するベータチタンの硬度は、HRC53から54程度と、並みの440C以下
クラスです。(ちなみに普通のチタンはもっともっと柔らかいです。)
では、なぜチタンなのか。

まず第一のポイントは耐腐食性です。
オーシャンマスターはダイビング用品メーカーで、同社のシースタイプのダイバーナイフは
米海軍特殊部隊SEALSに採用された実績もあります。
海はご存じのように塩水で、鉄は空気中よりかなり早く酸化しさびが発生します。
そのため素材としては従来からステンレス鋼が使用されていたのですが、ステンレスはあく
まで錆び難い素材であり錆びない素材ではりません。
また、ステンレスの耐錆性は表面の処理によるもので、刃物は当然研ぎあげて刃がついてい
ますのでその部分には耐腐食性はあまり望めなくなります。

私もあんまり詳しくはないのですが…
通常、金属は酸素と結びつく(酸化する)ともろくなり、表面から劣化しボロボロになって
いくことになります。
このため、さびやすい炭素鋼などは塩水につけるのを避ける必要があるのです。

頑強でさびない金属、というのは基本的に存在しないんではないでしょうか。
金は柔らかすぎますし、ナイフ鋼材ではCROMO7という鋼材が非常にさびに強いですが、
酸化しないというわけではありません。

そこで持ち出されたのがチタンです。
では、チタンはさびないのかといえばそんなことはなく、チタンも当然酸化します。
しかし酸化した時の状態が通常の金属と異なるのです。
チタンは酸化するほど皮膜が強くなり、酸素をほとんど通さなくなります。
そのためそれ以上の酸化が進まなくなり、状態がほぼ変化しなくなります。
これこそが「チタンはさびない」という伝説?の正体なのです。
ちなみに、と依願でなじみの深い「ブルーイング」「黒染め」も同じような方向性でした。

…とわかったような事を書いていますが、ほとんど詳しいとから聞いた話です(笑)
また、磁力をほとんど帯びず電気も通しにくいことから、電工ナイフに使用されることも
あるようです。
SEALSの用途でいえば爆発物処理などに役立つ、ということでしょうか。
(もっともふつうは専用の解体キットを使うと思いますが)

第2のポイント、
チタンは非常に耐摩擦性が高く、また剛性が高いようです。
同じ硬度のステンレスより刃が減りにくく、折れたりかけたりしにくいということですね。

第3のポイントはその軽さです。
ゆえに振り回すチョッパーのようなナイフには向きませんが、ほかの装備が重くなりがち
なダイバーや、携帯用のフォルダーとするには優秀な特性といえます。
たとえば、愛用のエマーソンコマンダーですが、チタンライナーとG10ハンドルで軽量です
がそれでも139gの重量があります。それに対しほぼ同サイズのZT-350はわずが85gです。
3分の2程度の重さしがありません。普段使いには軽いが良いのは当然でしょう。
ロックバック式で金属ライナーを必要としない点も軽量なポイントですね。



実際、握り心地や切れ味など、やはりコマンダーには及ばない点もありますが価格も高価では
なくコストパフォーマンスは高いといえるでしょう。

やや大柄ですが、メンテナンスフリーの普段使いナイフとしても、磯やボートなどでのレジャー
用にも、ダイビングの補助用としても重宝すると思います。

  

Posted by CAYENNE at 13:11Comments(0)ナイフ